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こすもす

2005-09-30 15:05


mmk
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海風

2005-09-21 21:09


坂倉
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「香り」

2005-09-18 04:53
風に流れて、
どこかへいった。

花の香
ゆれて
どこかへ、いった。

                         小笹綾子
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道の向こう側

2005-09-17 21:57


mmk
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海豹

2005-09-06 18:27


坂倉
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亜人間ミズエの洞窟

2005-09-04 14:31



亜人間ミズエの洞窟

ミズエは亜人間だ。ミズエはいつも胸に深い穴が開いているような、どこか空虚な気持ちをものごころついた頃から感じている。これはきっと自分が亜人間だろうと人間だろうと変わらないだろうとミズエは思う。
この「穴」はいつも乾いている。あるいはいつだって湿っている。
何か放り込んでやっても「穴」は決して満たされることなく暗い「穴」のままだ。
 高校の教室(ミズエは人間と一緒に高校に通っていた)で、ミズエは頬杖をつきながらため息をつく。どこか大人びたその様子を見つめる男子生徒の視線にはもちろん気づいているが、ミズエにはそれらに今のところ興味はない。
ミズエは背が高かった。180cmもの長身で、すらりと伸びた手足は遠くからでも人目を惹かないではいられなかった。しかしミズエはそんなことには気も留めず、いつも自分の身内から溢れ出る「何か」が欲しいと思っていた。それは彼女の「穴」をふさぐものであり、同時に「穴」から溢れ出すものだ。
 隣のクラスの友人のキリコはアナウンサーになるんだと言うのが口癖で、何度も放送室を占拠しては、どこで仕入れてきたのか非公式の校内ニュースを流していたが、いやがられもせずに結局皆は彼女の放送を内心こころ待ちにしていた。
ミズエは溌剌としたキリコの声を教室のスピーカーから聞くと、僅かな嫉妬心を覚える。
「みなさーん、お昼の校内ニュースの時間でーす。今日。。。」
楽しげな彼女の声は軽やかにミズエの「穴」に入り込み、内側をはね回り、彼女の何もないはずの「穴」に切り傷をつけるのだ。ずきずきと。

 その日の放課後、ミズエはキリコと一緒に学校を出た。帰り道の話題は一年生のタマツバキツバサくんがいつも持ち歩いている不思議な色の小石のことで、いずれキリコはこれもニュースのネタとして取り上げるつもりだった。
「でね、今日聞いてみたのよ。同級生の子に。タマツバキくんのあの石っていったいなに? って。」
「で、なんだったの?」ミズエは胸の辺りを押さえながら尋ねた。
「それがよく分からないみたいなの。クラスのみんなも不思議がってるけど、なかなか聞けないんだって。男子なら知ってるかもだってさ。」
「へえ。」ずき。
「明日同じクラスの男の子に聞いてみるよ。使えそうなら来週のニュースかなぁ。」
「本人に直接聞いてみた方がいいんじゃないの?」ずき。
「それもそうなんだけど、あの子、見た目はそんな感じじゃないんだけど、なんだか話しかけづらくてね。」
「。。。。キリコ、ちょっと悪いんだけど、先に帰っててくれる? 忘れ物しちゃった。」ずきずき。
「一緒に取りに行こうか?」
「いいのいいの。」ずきずき。
ミズエはキリコを半ば振り払うようにして道を引き返した。学校の前を通り過ぎ、商店街も抜け、川の土手まで来ると、突然ミズエは土手道を走り出した。胸を反らして「穴」に風を送り込むように。走っている間は何もない「穴」にも通り抜ける風があるのだ。そして胸の「穴」の疼きはやがて心臓の力強い拍動に取って代わられ、最後は「穴」があることすら意識しなくなる。
ミズエは一心不乱に走り続け、息が切れて走れなくなると、土手の下の芝に体を投げ出した。ミズエは、薄桃色に染まった空を見つめながら、何度も深呼吸をして荒い呼吸を落ち着かせようとした。黒いシミのように空高く舞っているのはきっと鳶(とび)だ。彼らは歌うのがすきで、その優れた目でミズエを見つけると、いつも高みからミズエに歌いかける。

 『おいらは ひとり 
  ひとりだって へいき 
  そらが おいらをまってるの
  あんたも ひとり 
  なにが あんたをまってるの』 (ミズエ訳)

しばらくミズエは鳶の他愛のない歌を聴いていたが、やがて夕闇に沈んでゆく空を見つめながら呟いた。
「かえろ。」

 ◆ ◆ ◆

「ただいま。」
アパートのドアを開けながらミズエは部屋の奥に目配せした。電気がついていないから、きっとヨシオはまた眠っているんだろう。
弟のヨシオはまだ小学生で、ミズエが母代わりとなっていた。
玄関を上がると陰から尻尾をぴんと立てた黒猫が「にゃーお。」とミズエを出迎えた。
「ジャミ、ただいま。」
黒猫のジャミののどを軽く撫でると、ミズエは奥の間の床でじかに眠っていたヨシオを揺り動かした。
「ヨシオ、ただいま。お腹空いたでしょ。すぐ作るよ。」
目覚めたヨシオは目をこすりながら伸びをすると、ミズエに言った。
「ねーちゃん、おかえり。夢見てた。」
「なあに? どんな夢。」
ヨシオはまだ夢見ているような惚けた顔で言った。
「ねーちゃんがいなくなる夢。」
着替えながらミズエは言った。
「。。。そんなわけないでしょ。遅くなってごめんね。ひとりぼっちで怖くなったんでしょ。」
「ううん、ジャミが言ってた。」
ミズエはジャミを睨みつけたが、ジャミは素知らぬ顔で「にゃー。」と鳴くだけだった。

その夜、ミズエは夢を見た。
ミズエは知らぬ間に深くて暗い洞窟の中を手探りで歩いていた。遙か後ろの入り口からはヨシオの呼びかけ声が聞こえるが、ミズエは抗いがたい何かに引き寄せられ、ヨシオの声を無視して突き進んで行くのだ。ヨシオは明るい陽光の降り注ぐ洞窟の入り口で、ジャミと二人で彼女を待っている。今頃待ちくたびれてうとうと眠り込んでいるだろう。しかしミズエはもう引き返すことができない。洞窟の先からはかすかに反響して鳶の歌が聞こえてくる。なんて歌っているのだろう。ミズエは立ち止まって耳を澄ませる。
「なにが あんたをまってるの」
何がわたしを待っているのだろう。鳶の歌をさらによく聴こうと足を進めたそのとき、不意に背後からジャミのにゃーにゃー鳴く声が聞こえた。

『 あなたは ゆきなさい 世界が あなたを待っている 』 (ミズエ訳)


(おわり)
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